オークションで買った分譲マンションに賃貸で住むということ

以前オークションで買って住んでいたマンションは1DKながら分譲マンション。私は賃貸で借りていました。買って住んだわけではないけれど、長年住む間に、分譲と賃貸では住み心地が全然違うと実感するようになりました。古いマンションだったので、間取りや設備については、新しい賃貸マンションの方がずっとよいだろうと思う程度で得にメリットはなかったのですが、住民の意識が違うというが大きかったです。まずはゴミだし。ゴミの分別が細かい市でしたが、皆きちんと守って出していて、前の夜にこそっと出すとか、捨ててはいけないものを出すという人はほとんどいませんでした。たまに間違えて出し、回収されなかったゴミがあると、出した本人が持ち帰っていたようです。世帯数が30程度の小規模マンションだったせいもあり、マンション新築当時から住んでいる長老のような方もおられるし、賃貸住宅に住んでいた時は隣の人の顔をよく覚えていないということもありましたが、このマンションではほぼ全員が顔見知り。悪いことはできません。スーパーなどでばったり会えばもちろん挨拶するし、引っ越して出ていく人、あるいは入居する人なども回覧で連絡がきたり、いざという時のために、各世帯の電話番号表が配られたり。個人情報保護法が…と言われそうですが、もちろん住人の合意のもとで、信頼関係もありました。マンション屋上の共同洗濯物干場に、近所の高校生が出入りしてタバコを吸っていた、という目撃情報があると、すぐに注意の張り紙を出したり、何か起きた時の対応も速やかでした。同じフロアにかなり高齢の女性が一人でお住まいでしたが、長年住んでいる方は、万一のことがないか、部屋の明かりがついているかを、いつもさりげなく気を付けていたようです。
最近は人口減少によって住宅が余っているから、今後は買って住むより、借りて住むほうがリスクが少ないという話をよく聞きます。一見買った方がお得なように思えても、管理費や修繕積立費がかかるし、リフォームが必要になったりするので、トータルで考えると借りても買っても、金銭的にはそれほど変わらない。それならリスクが少ない賃貸の方がいいという考えです。確かにその通りですが、賃貸と分譲では住民の意識が違うという金銭でははかれない大きな違いがあります。お互い顔見知りで声もかけあうとなれば、防犯面でも心強い。そういったことも考えてマイホームを持とうとする人もいるのではないかと感じています。

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